(株)オオタニ 三橋美香
バッグ製造現場でのIT活用と効果について

100年に一度の不況といわれる世界情勢の中、どの業界でも苦難を強いられている、との報道が日々いたるところで繰り返されています。しかし、この絶体絶命と思われる危機や困難を「好機」と捉え、勇敢に乗り越えている企業もたくさんあります。従来のやり方が通じなくなった今、営業、流通、製造の様々な分野で「改革」が必要とされています。
では、具体的に製造現場でITを活用し「改革」するにはどのような方法あるのでしょうか。ITを活用したバッグ製造のモデルケースを設備面から提案したいと思います。
皮革製品製造業界の現状─多品種・小ロット生産が求められている中、国内の多くの製造業界では各製品毎に「金型」が製作され、油圧式裁断機により裁断されている。その一方で、皮革業界でも生産基地は中国や東南アジアへシフトしつつあり、日本の製造業にはヨーロッパに並ぶ企画力と品質が要求されている。ヨーロッパでは「金型」を使用しない裁断システムが開発され、多品種・小ロットにも対応するなど、その利点を生かした新しいデザインが次々と生み出され、世界のファッションをリードしている現状。
ここで、価格競争にも対応する為に、もう一歩進んだ合理的な形を考えてみました。パターン作成をCADで行うことで、IT活用への入り口が開きます。様々なデザインのアレンジはもちろんのこと、材料コストの算出、裁断、漉き、縫製への指示書、仕様書作成、デザイナーとの打ち合わせ用の資料なども短時間で作成できます。
型紙が電子化されると、型紙がPC内に整理保存され、検索機能を利用して瞬時に必要な情報を見つけることができます。
また、パーツの形状通りに金型無しで正確に裁断できる機械や、コンピュータミシンとリンクさせることで、正確な縫製が可能となります。レーザー機ともリンクさせることで、コンピュータミシンの治具も簡単に作成でき、小ロットでもコンピュータミシンを最大限活用できるようになります。
生産コストを削減しつつ、短納期でより正確な裁断、縫製が可能となります。材料発注や各工程タスクのデータベース構築も可能となり、人為的な作業が軽減し正確かつ合理的な生産管理が行えます。生産管理を見直す事は、改めて見えない無駄を洗い出して改善することになり、生産コスト削減に大いに貢献する事でしょう。
ITの活用方法は無限大で、今回紹介させていただいているのはほんの一部に過ぎません。また、大きな投資をしなくてもすぐに取り入れられるIT活用も多々あります。まずは簡単なところから始めて、少しずつ「改革」してみてはいかがでしょうか?
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