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Bagazine
Bagazine バッグ・鞄をメインにファッション雑貨に特化した情報を発信する業界専門紙。発行形態は1日号・15日号の月2回発行(※7、8、12月は合併号で月1回の発行)です。
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Bagazine plus─フリーペーパー─ バッグ及び服飾雑貨に関する旬の情報を、一般ユーザーに向け発信するフリーペーパー。発行はシーズン毎に、春=2月、夏=5月、秋=8月、冬=11月の年4回。配布ご協力頂いているバッグ専門店を通して配布されます。

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価格訴求から価値訴求へ

もはやファストファッションの定義では捉えきれない!
「ポスト・ファストバッグ」時代の到来

アメリカ型の金融資本主義が終焉し、その余波が実体経済に波及して久しい。このようなフレーズに対し、すでに言い古された感覚を覚えるのとは対照的に、多くの製造業や小売業では消費が回復しないという現実から抜け出せずにいる。この、モノが売れないという現場における実感は、総務省の家計調査(家計消費調査指数)といったマクロのデータとも符合している。例えば、同調査の項目の「被服及び履物」では、平成21年1-3月期でマイナス8.4%、同4-6月期でマイナス3.5%(いずれも前年同時期比)と落ち込みが激しい。

そうした中、不況に強いビジネスモデルとして登場したのが「ファストファッション」であった。ファストファッションについては、ファストフードになぞらえたネーミングという点を除くと、特に決まった定義が無いようだ。流行のトレンドをフォローしたお洒落なデザインの製品を、需要が落ちないうちに素早く、しかも値頃感のある価格で提供する、といったところが最大公約数的な定義だといってよいだろう。

この流れは、当然、バッグ業界にも無縁ではない。ファストファッションに倣った「ファストバッグ」と呼べるような製品が数多く見受けられるようになった。ファストファッションについては、当初のビジネスモデル通りに事が運び、売れ残りリスクを回避できるのであれば、利益率の面でも従来モデルを上回る成果を上げることも可能かもしれない。しかし、そのようなケースは、従来モデルに比べてはるかに熾烈な競争を勝ち抜いた結果もたらされるものであることも忘れてはならない。しかも、資材の調達や納期を極めて短く設定し、価格面でも優位性を保たなければならないとすると、最終的には資本の規模ないしは装置産業的な尺度から優勝劣敗が決まってしまう。

そればかりでない。トレンドの傾向があまりに流動的になりすぎると、トレンドをつまみ食いするような方法で、特定のデザインや素材に一極集中が発生する。市場のパイがアパレルに比して小さいバッグ業界では、市場は行きづまりを見せる可能性も否めないだろう。

こうした中、ファストバッグの流れを汲みながらも、ワンランク上の価格帯に肉迫する素材や縫製などのクオリティを実現したり、利便性といった視点からプラスαの要素を取り入れ、独自の進化を模索するなど、「第三の道」と呼べるような流れも萌芽を見せはじめている。そこで、本誌ではこのようなブランドを「ポスト・ファストバッグ」ブランドと定義。そのコンセプトや企画事例を紹介する。


(株)ラジルマ

ファストファッションだけでなく、
自社を牽引していく「エンジン」としてのブランドstyle6
ラジルマ
Style6の定番となっている2WAY。上段が¥3,900、下段が¥4,900というファストバッグのプライスゾーンだが、カラーバリエーションを豊富にすることで差別化を打ち出している

「style6」(スタイルシックス)は、ハンドバッグやカジュアルバッグの製造・卸・販売を手掛ける(株)ラジルマのプライベートブランドとして2007年の秋に誕生した。

当初は、商品の企画自体が先行して、style6というブランド名が付けられたのは翌2008年の2月のことだ。ブランド名のstyle6には、「第六感」(sixth sense)に訴えかけるようなものを提案していく、という意志が込められている。第六感とはつまり、あなたのセンスで(自由に感じて)選んでください、という意味である。そのことは、同ブランドのロゴが入った製品タグに、「Plus One.... It's your charactor.」と記されていることからも分かる。

style6では、市場でカジュアルが動いていればカジュアル、エレガンスが動いていればエレガンスというように、ブランドでありながらもブランドイメージにとらわれすぎないデザイン戦略を採っている。価格についても、市場動向に合わせて、「いま」「この」価格を意識した値段付けを意識している。これは、顧客が決めるという意味で、ブランドとしての中心をあえて持たないという脱構築的な方法でもあるが、努めてファストファッション的でもある。


(株)サック

ワンプライスの分かり易さと楽しさで
Bagの売り場活性化を目指した「Happy&Sac」
価格以上の提案に、マーケットでのニーズも高まる
サック
サックの“39”と30周年の感謝の気持ちを込めた“サンキュー”に掛けて、3,900円というワンプライスにこだわった「Happy&Sac」。プライスもデザインも背伸びせず、等身大で買える、使える、そんなハッピーなバッグを提案する

(株)サックでは昨年、創業30周年の節目に、同社の原点ともいえるトレンドカジュアルの新ブランド「Happy&Sac」(ハッピー&サック)を立ち上げたが、1年を経過し好調な推移をみせている。「3,900円」というワンプライスを切り口にしたこのブランドは、トレンドを取り入れた商品とトータルでのお洒落な見せ方に特徴があり、手軽にファッションを楽しめるバッグとして幅広い年代の女性から支持された。

市場では今まさにファストファッション全盛で、服だけではなくバッグにも“安くて感度の高いもの”が求められつつある。そんな中、「ハッピー&サック」でいちはやく3,900円というプライスに特化し、同じ3,900円でも付加価値の高い提案で新しい女性のニーズを開拓した同社。今冬2年目の提案で、沈滞ムードのレディスバッグ市場をどう盛り上げるか注目される。