専門店の提案力が国産ブランドを救う
Equipaje エキパージュ
「売れているもの」より「提案できるもの」
個性的な品揃えを接客で売り切る
高感度専門店が表現してきた直系のこだわり
JR鎌倉駅東口から歩くこと約3分、観光客で賑わう小町通り沿いのファッションビル「SCENE」の中にエキパージュの本店がある。これまで色々なかたちでバッグに関わってきた樗木(おおてき)由起子社長が、その経験をもとに2001年にオープンしたバッグ専門店だ。革素材を中心にした独自の店づくりを目指し、本店以外にも4年前に横須賀店を、3年前に藤沢店(藤沢OPA1F)を各々オープン、地域に根ざした品揃えで固定客を掴んでいる。
樗木社長は高感度なバッグ専門店として草分けのイノウエサックの出身で、問屋で営業企画もしてきたという経歴の持ち主。奥深い経歴と、イノウエサックの系譜らしいこだわりが、独特なスタイルとなって店づくりにも表れている。そのこだわりとは、「有名ブランドに頼ることなく、セールにも頼らず、自分たちが売りたいものだけを接客でお客様に提案する」というもの。価格を切り口にした物でなければ売れない時代に、妥協しない品揃えを守り続けている専門店なのだ。
Belta borsa(ベルタボルサ)
革素材を中心に国内メーカーの良さを打ち出し
リテラシーの高い顧客ニーズに対応する
ファッションを中心とした国内市場は、消費の多様化・成熟化という点で、年々売場づくりが難しくなっている。たとえば百貨店のインショップのような場合、安定感と多様性という相反する要素を織り込んでいかなければならない。そうした時、多様なデザインが揃い確かな品質の国内メーカーの製品は、アドバンテージが大きいといっていいだろう。
東武百貨店船橋店3階に出店しているベルタボルサは、今年の2月でオープン2周年を迎えた比較的新しいショップだ。前身となった店舗は、現在は東武百貨店に統合されている専門店街の時代の15年前から出店していた。当時から店長として経験を積んできた杉山雅之氏が、オーナー経営者として独立する形で、現在の店名であるベルタボルサとしてスタートした。
現在のスタッフは、杉山店長も含めて社員3人、アルバイトが2人の5名体制。いずれも経験豊富なベテランだ。
取扱うアイテムに関しては、旧店舗の時代から売場の裁量権が大きく、系列他店では扱っていない製品も展開するなど、比較的自由にセレクトできる環境が整っていた。そのような土壌から、皮革製品を中心とした他店にはない製品を取り揃える、という方向性が定まっていった。
il Turno(イルトゥルノ)
多様化時代にマッチする個性的なアイテムを厳選し
シンプルで美しい国内ブランドの魅力を提案
東京23区の中で最も南に位置する大田区。いわゆる城南エリアにある蒲田駅は、JR、東急に加え、JRに並走する京急線など、鉄道交通の要のターミナルとして機能している。駅周辺は古くから商業エリアとして発展してきたが、本誌No.16でも取り上げたグランデュオ蒲田など、ここ数年の再開発事業によって新たな装いを見せている。こうした動きに足並みを揃える形で、東急電鉄の駅ビル、蒲田東急プラザも2008年10月、2、3階フロアを中心にリニューアルを行った。
その蒲田東急プラザ2階に構えるイルトゥルノは、20代から30代前半の「ワーキングウーマンのお洒落」を意識したデザインやカラーリングのアイテムをラインナップするファッションバッグのショップだ。
店名のイルトゥルノとは、「il」(英語の定冠詞「The」)と「Turno」(葡萄の一種)を意味するイタリア語。ワイン工場近隣の葡萄畑で多様な品種が栽培されている中、ミツバチが媒介して誕生したという逸話の新種の葡萄の名前から採られた。そこには、多様なメーカーのアイテムを自らの視点でセレクトし多様性のある売場を提案していきたい、という同店のコンセプトが集約されている。










