音楽と雑貨を融合し
立地によって個性を追求する
差別化のあるメンズセレクト
GEAR'S JAM (ギアーズジャム)

- 古澤和也マネージャー
音楽を切り口にしたメンズ雑貨のセレクトショップとして、2005年梅田(コムサストア・ヨドバシ)に1号店をオープンした「GEAR'S JAM」(ギアーズジャム)。その後も自由な発想で全国に店舗拡大してきたが、昨年(株)丹青モールマネジメントより独立し、(株)ギアーズジャムとして運営を開始。独立後も京都、錦糸町、昭島と新店を出店し、現在11店舗を展開している。
一口に音楽を切り口にした業態といっても、ギアーズジャムの店づくりは奥が深くユニークだ。もともと社長の佐藤克己氏をはじめ、聴くだけでは飽き足らずスタジオを借りてセッションしてしまうほどの音楽好きが集まり立ち上げているので、音楽が単にビジュアル的な手段にとどまらず、品揃えから接客まで店舗運営のすべてに生かされている。
特に佐藤社長とともにギアーズジャム設立当初からコンセプトづくりに取り組んできたスーパーバイザーの古澤和也氏は、その音楽に対するこだわりを店舗開発に発揮してきた人である。
もちろん音楽が商品そのものに直結するわけではないのですが、やっている本人たちが楽しみながら追求しているから差別化できているのであって、品揃えにも接客にも、ギアーズジャムの個性の軸には常に音楽があります」と古澤氏。

- スマーク伊勢崎店
立地によって各店の切り口となる音楽が異なるというスタイルも、そんなこだわりの中から生まれた個性だ。人間味溢れる土地柄の梅田はブルース、ベイエリアの福岡はウエストコースト、アメリカ南部の地形に似た伊勢崎はサザンロックというように、11店舗すべてが独自のストーリーをもとに展開されている。
立地で音楽が異なるように、品揃えも立地に合わせた個々のMDを重視している。そのため仕入れは本部一括ではなく、各店仕入れが基本。各店長とエリアマネージャーが現場で試行錯誤しながら、その店の客層に合った品揃えになっていく。特に店に合った品揃えを確立できているのは伊勢崎店。オープンから3年になるが、伸び率は今一番いい。
明確なスタイルを追求しながら
世代も性別も超え集客できる強み
越谷イオンレイクタウン店

- イオンレイクタウンは館の中に若い層をターゲットにした競合店が多いが、これだけ切り口に特徴のある環境なので、メンズ雑貨のセレクトとして認知されつつある

- 越谷イオンレイクタウン店は'70年代ブリティッシュロックがテーマ
音楽の切り口も品揃えも、各店によって個性は色々だが、共通しているのはあくまでも男性の視点で店づくりをし、男性客層の遊び心を刺激する環境になっていること。SCという立地上、実際の客層は幅広いが、このスタイルを守っているからこそ男性客の世代のギャップを埋め、女性客層のニーズをも生んでいる。
例えば越谷イオンレイクタウン店のテーマは'70年代のブリティッシュロック。壁面はレッドツェッペリンのレコードジャケットをモチーフに描かれ、ロックが流れる店内にはカバンを中心にサイフ・小物、カジュアルアクセサリー、帽子など雑貨を構成している。
こういう仕掛けは、'70年代ブリティッシュロックをリアルタイムに聞いていた40~50歳代の男性客には懐かしく、逆に若い世代には新鮮なテーマだろう。つまり音楽という共通言語を介して幅広い年齢層から集客し、しかも若い人を中心に商品の傾向が普及していくというメリットにつながっている。
商品動向を見ると、中心客層である大学生・専門学校生・高校生には相変わらずリュックが強く、ボディバッグも動きがいい。ボディバッグは“若いお父さん”世代から年配層のオフアイテムともかぶるが、このボディバッグの持ち方一つとっても、客層を超えた接客につながっている。年配のお客様が今までウエストで使っていたアイテムなどは、「こういう持ち方もあります」という接客に発展する場合もあるし、また逆にお客様のほうから「今はこういうのが流行ってるの?」といった話になることもある。
つまり、40代前後の男性が今旬のアイテムを買う時に、世代の違う若いコンセプトの店へ行くことは難しくても、若い店づくりの中にも音楽で通じる感覚があるここへ来れば、今を知ることができる──ということなのだ。
「だからあまりブランドMDには重きを置いていない」と古澤氏はいう。

- 世代を超えた男性客に、接客で提案できるアイテムが揃う(イオンレイクタウン越谷店)
「ブランドで考えてしまうと、色々な制約で扱えるとか扱えないとかいったものが出てきますから。ギアーズジャムのスタイルを考えると、バッグのブランドもアウトドアのブランドも見ながら、アイテム中心に構築していくことが大切です。もちろんブランドでも他であまり扱われていないようなものにはアンテナを張りながら、価格とクオリティのバランスの取れているものには取り組んでいます」とのこと。
メンズの年齢に垣根がないのと同じように、主にSCを舞台にしている同社は、実際の来店を見ると男女の垣根もはっきりとは存在しないようだ。品揃えはあくまでもメンズに基本をおいており、女性向けのセレクトは一切ないが、カラーでは女性にも通用するアイテムが展開されている。普通メンズの売り場ではクロ・チャ以外の色は外しがちだが、色のバリエーションも考えながら取り入れられるのは、音楽をベースにしたメンズ業態ならでは。例えば「chums」などは、より女性客に売れているという。
またギアーズジャムの切り口の一つにギフトがあるが、ギフト需要でも女性客の集客は大きい。もちろんこうしたニーズも、ギアーズジャムのスタイルがメンズ業態としてブレていないからであって、それは売る側の好きなもの──音楽が基本にあるからこそブレずに追求できているのだろう。
- ●(株)ギアーズジャム
- 埼玉県さいたま市南区四谷2-10-17
- http://www.gears-jam.com/
【GJ店舗】
トレッサ横浜店、マリノアシティ福岡店、パークプレイス大分店、スマーク伊勢崎店、長崎ココウォーク店、コムサストア・ヨドバシ梅田店、町田モディ店、越谷イオンレイクタウン店、イオンモールKYOTO店、錦糸町オリナス店、昭島モリタウン店

